詩集「恋獄」
● 夢で見る 君に逢えぬ ことが哀しい
● 春よ来い 我が人生に 君(バイク)の影
● 君恋し 自然に抱かれ 吹く風と 共に流れる 手編みのマフラ
● 天に賭け 今日はあいにく 雨なれど 昨日も快晴 ゆく明日も
● 若葉燃え 湖面も深き エメラルド 佇む独りに 吹く風の舞い
呼応
呼んでるのが
聞こえる
ただ 聞こえる
独りだから
心が騒ぐ
身体が飢える
他人などに
分かるはずもなく
風が呼んでる
月が呼んでる
全てを賭けて 応えたい
聞こえる
聞こえる
風が呼んでる
月が呼んでる
そう 好きだったんだ
好きという言葉を 見失って
何時しか 忘れてた
飽きやすいんじゃない
夢中と言うわけでもない
そう 好きだったんだ
理由じゃなく
感覚がそう叫んでいた
バイクという手段で
無意識にムサボッていた
そして 多分これからも
独りである限り ずっと
好きという言葉を 見失って
何時しか 忘れてた
そう 好きだったんだ
そう 好きだったんだ
恋獄
少年は 狂っていた
目の前の出来事ばかりに
夢中になり
想い人 戻らぬこと
出逢ってから
今迄の時の流れ
いつか 来ると
分かっていた別れ
その事実にも
ただ 夢中に
駆け抜けただけ
少年は 覚めていた
ただ それが
とても哀しくあることも
そう 痛い程に…
仇になること
こうなるだろうことも
分かってた
何故って
理屈じゃないこと
私がかたくなに
こんなにも優しいのに
女性を想えない哀しさが
寂しくて辛いだけ
気付かれるのはあたりまえ
あなたには多数の友達がいる
ただ、それだけ
素直すぎると時として 仇になる
いや、往々に
これはとても 哀しいこと
あと何回
繰り返すのだろう
気が済むのだろう
それまで、傍らにいるのだろうか
風とバイクとあなたは
できることなら…
「さよなら」それとも「待って」
僕が書こうとしていたことは
「さよなら」それとも「待って」
どちらをも選べなかった
はっきりとした態度を
君は 望む
それは 当然
でも 時として 乱れる
狂おしい程に 乱れる
君は知っているようなふりをして
大人ぶる
僕には翼がない
今はない
君が好きでも
僕には 書けなかった
戻らぬ恋
君のこと想うと
心が苦しい
とても 辛い
戻らない想い出が まぶたを巡る
戻らぬ恋を
何故にして 追い続けるの
自ら迷い旅する
君遙か 遠い人
せめて時を越えて 逢えたら
春夏秋冬
過ぎ去りし夏
深まり行く秋
これからの冬
そしてまた春
だまされ続ける私は独り
心が麻のように乱れた
哀しさは薄れても
心が乾いて とても乾いて
苦しさは薄れても
馬鹿になって行く私が止められない
Fを乗りこなしても
それは 風ではないこと
最近 解かった
風が心を覚ましても
それを私だけのものだと
勘違いして…
「また TELする」「そう」
「今度 TELする」「そう」
哀しい嘘の遣り取りに
人が信じられなくなる
だまされ続ける私は独り
Fを乗りこなしても
それは 風ではないこと
最近 解かった
風が心を覚ましても
それを私だけのものだと
勘違いして…
心が麻のように乱れた
哀しさは薄れても
心が乾いて とても乾いて
苦しさは薄れても
馬鹿になって行く私が止められない
10年前のあの人へ
前略
時の流れは 何時になく速い
10年後のあなたを
私は知らない
24になった私のこと
あなたは 覚えいてくれるだろうか
そう 全てが青すぎる
幻影であったとしても
当時 言えなかったことが一つある
絶対伝わらない 今なら書ける
一度だけ
あなたに出逢えて 良かった
時の悪戯を 悔やむよりも先に…
草々
解かっているのに
だまされて
だまして
心はうつろ
身体もうつろ
想いだけがほとばしり
哀しく終る
誰を求めているのだろう
解かっているのに
言葉にできない
約束は破るもの
いや、破られるもの
経験がそうさせた
誰を信じたらいい?
哀しい運命
一体、どれだけ
これから、どれくらい
解かっているのに
言葉にできない
解かっているのに
解かっているのに
壊れゆく私
繰り返してしまう私
止められなかった
何故と聞かれても
私が少年のままだから?
少年の私だったから?
大人になれない
甘く危険なこと
私が苦しむこと
知っていて
ピエロを演じ続けて
優しいのは時として辛い
甘すぎるもの時として苦しい
だまされて
傷付けられて
私が壊れてく
心が壊れていく
待ち惚け
時は容赦なく
私を置き去りにする
そう いつも後
何かを期待して
何かに裏切られ
何かを求めて
何かを失う
気付くのは いつも後
時の流れは 無情だ
19に泣かせた私を
また泣かそうとする
私だけではないと 分かっているのに
悔しい 後悔しているのが
苦しい 今頃になって
何かを期待して
何かに裏切られ
何かを求めて
何かを失う
気付くのは いつも後
そう いつも後
少し寒い日和の中
彼女と別れての
初ツーリング
風を抱くことの
何と爽やかなことだろう
菜の花畑が 今年の違いを
感じさせる
少し寒い日和の中
あまり長く語らないほうが
いいみたい
● 心琴に 一音響く 愛の音は 今も忘れじ 初恋の人
● 15年 早それだけが 信じれず 時の流れの まるでうたかた
● 傷付いて 心は深く 傷付いて あなたの心 僕で安らげ
● 玉のよう あなたの涙 あふれでて ただ悔しいと 誓う成功
● 見てるだけ そんな僕でも 認めてくれる 君の優しさ そこはかとなく
● 風ひくよ 今夜は寒いね 暖かく ふとんかぶって 早く寝なさい
● 缶詰めに 閉じ込めたよな 一枚の 写真に写る 19の私
● 死なないで ただひたすらに 願うのは 世界で一人の 僕の恋人
● あの頃の 君に逢えたら 言えること 今は噛み締め 聞く梅雨の音
● 君とまた いつかどこかで 逢えること 疑いもせず 僕は信じる
● 電話待つ 想い届かず 部屋の中 外は木枯らし 響く秒針
● 寂しいよ あなたがいない この部屋に 私いつまで もう待てないよ
● 静寂が 涙を誘う この部屋の 主がなくした 大切な人
● 部屋の中 音を鳴らして 紛らわす 恋をなくした 乱麻の心
● 私が 独りで過ごす 年の瀬は 隣に誰も 誰も隣に
● 我がかおり 愛するほどに 赤い糸 小指と小指に 感じる絆
● 友は皆 我が子を抱く 年頃に 我は未だに 風を追うらむ
● 流れ行く 時の幻影 夢に見て 現身の我も 人生に戸惑う
ご め ん
全ての言葉か嘘に変わる
僕の口から
君の口から
傷付いて お互いに
傷付いて 心を隠して
僕のしていることは絶対に
君に劣ることだと思うが
大切にしたいものが
大切にしていたものが
音をたてて崩れていきそうで
僕が壊れていきそうで
僕は僕を守ってしまった
ごめん
今はただそれだけ
ポケットの中
知っておきたい事って
やっぱり あなた
でも それを今日は止めた
ポケットの中が 寂しかったので
でも それが私の心の中だったと
気付いたのは
つい さっき
間に合うわけもなく
独り飛び出せない 私でいる
バイクが泣いてる
風も泣いて聞こえる
音が誘う快感に
どっぷりつかりすぎたみたい
出るのが怖い
とても 理屈じゃなくて
本能的なのを感じる
眠い とても眠い
今はただむさぼりたい
ポケットの中を…
心の中を…
煩 悩
あなたには知られてしまったけど
私は多分そうだと思って
短くはなかったけど
得てして そんなものかなと
思えてしまう
風が好きで
女が好きで
SEXが好きで
くだらないと思われるかも知れない
でもあの時 力の抜けた私を
止められなかったのは ホント
移るっていいのかも知れない
じなきゃ 輝きようのないことも
私には それが分かる
あの霧が好きで
デジャヴの香りが好きで
そして バイクが一番好きで
やがて 疲れはて
独り寂しく 惰眠をむさぼることの
なんと幸せなこと
何と素敵な午後なのだろう
うっとうしいこの人を捨て
風を求め、バイクを駆る
ナチュラル至上の為
スピードは求めない
風が心地よく肩を抱く
抱かれる私は人を捨て
自然を求めからだが動く
何と良い天気なのだろう
バイクを傍らにたたずんでみる
何と絵になることだろう
長い海岸線、銀のロード
エメラルドの海、泳ぐ魚
白バイが通り過ぎる
獲物を見つけるオオカミのよう
バカみたい
顔に微笑みが浮かぶ一時
ふと、隣にはZのオジさん
格好良いオジさん
私と同じものを求めて、来たみたい
自然にわかる雰囲気がいい
何と素敵な午後なのだろう
気紛れを武器に
風に抱かれながら
考えたこと
気紛れを武器に
独り出逢いに飢えていた
感動に飢えていた
うだるような暑さの中を
温すぎる風の中で
バイクと一体となって
人であることを止めて
しばしの時の中を漂う
全てがアナログとして見え
気持ちいい
バイクの小気味よい音だけが
私のフィーリングを覚まさせる
わかっていたような気がする
風に抱かれながら
考えたこと
気紛れを武器に
己を自然に戻すこと
心を人から解き放すこと
帰郷の風
分からないまま
乗っていたのではなく
知っていて
敢えて求めてみた
そして 4年が経った
最後のチャンス
風が私にくれた
気紛れも
どうやら 見えてきたらしい
終着駅
19の時に出逢った風は
未だにまだ吹かない
どんな風に抱かれても
デジャブは感じない
香りが違う
吹っ切れてしまった
こだわっていたのは 今までじゃないと
これからだと
帰ってきたような気がして
F、宜しく頼む
天は嘆きの雨ばかり
風が去っていくのが分かる
くだらないことだと思うが
私はとても いや こんなに
飢えているというのに
天は嘆きの雨ばかり
傷付しまどか
健気に応えてくれる
痛いほど分かる故
求めて止まぬ風
またその音・香
深く沈んだエメラルド
黒く山中を這うロード
いたずらに流れて行く時
朽ちゆく私とまどか
今だ出口の見えない心
風が去っていくのが分かる
くだらないことだと思うが
私はとても いや こんなに
飢えているというのに
天は嘆きの雨ばかり
そして風にとけた私
風の中
バイクと二人
とけたくて
向かい風がきつい
風の中
孤独な心一つ
とけたくて
追い風が気持ちいい
銀色のロードは
海岸線を縫い
果てしなく
コバルトとエメラルドが流れる
熱い夏を予感させる
生温い風に
脱いだ上着を
腰に巻いた
何と気持ちのいいことか
風になびくTシャツ
古く破けたGパン
そして風にとけた私
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